第20回「希望の翼」(ハワイ)

希望の翼 期待胸にハワイへ
障害のある人に海外旅行を楽しんでもらう「第20回希望の翼」(茨城新聞社、茨城新聞文化福祉事業団主催)の一行81人は29日、期待を胸に、成田空港からハワイへ出発した。
障害者とその家族、ボランティアなどが参加した。午後5時半ごろ、県内各地から送迎バスで空港に集合し、出国手続き後、2便に分かれて現地に向かった。ハワイとの時差は約19時間で、現地時間29日午前9時ごろにホノルルに到着し、市街地へ向かう。
4泊6日の旅ではカピオラニ公園やイオラニ宮殿などの名所を巡るほか、買い物やパーティー、ディナークルーズなどを楽しむ。一行は12月4日に帰国予定。
(2018年11月30日付茨城新聞掲載)

【写真】成田空港に到着し、ハワイへ向かう希望の翼の一行=千葉県成田市

希望の翼 「日立の樹」に感激 ホノルル初日楽しむ
障害のある人に海外旅行を楽しんでもらう「第20回希望の翼」の一行81人は現地時間29日午前9時ごろ、ハワイ・ホノルルに到着した。長旅の疲れを見せず、モアナルアガーデンを散策し、イオラニ宮殿やカメハメハ大王像を車窓から楽しんだ。
ガーデン内にはハワイ原産だけでなく、世界中のさまざまな植物があり、日立グループのテレビCMに登場する「日立の樹」のモンキーポッドは中南米原産。樹齢約130年で高さ約25メートル、幅約40メートル、幹の直径は約7メートルだという。参加者は写真を撮るなどして、なじみのある大きな樹木に驚いていた。
ホテル到着後はウエルカムパーティーがあり、フラダンスやハワイアンバンドの演奏を楽しんだ。最後には参加者を交えてダンスを踊り、パーティーを締めくくった。初めてハワイを訪れた行方市の高柳長生さん(66)は「実際に日立の樹を見られて良かった。迫力がすごかった」と笑顔を見せた。
(2018年12月1日付茨城新聞掲載)

【写真】モアナルアガーデンを訪れた希望の翼一行=米ハワイ州ホノルル市

散策や動物園見学 ハワイの自然眺め交流
障害のある人に海外旅行を楽しんでもらう「第20回希望の翼」の一行は、2日目となる11月30日(現地時間)、ハワイ・ホノルル市内で市街地の散策や動物園見学、ディナークルーズなどを楽しんだ。
ワイキキのメインストリートや海沿いの通りなどをそれぞれ散策。動物園では、ゾウやキリン、シマウマ、リクガメを間近で見たりするなど、参加者は思い思いの時間を過ごした。また、昼食は海を望む場所に設けられ、ハワイの自然を眺めながら仲間との交流を深めた。
夜にはスターオブホノルル号でのサンセット・ディナークルーズがあり、夜景や花火、ダンスなどを満喫した。
石岡市の田口祝子さん(29)は同日、誕生日を迎えたことから、参加者全員がバースデーソングの合唱で祝福。田口さんは「こんなに大勢の人にお祝いされたのは初めて。うれしい」と喜んでいた。
(2018年12月2日付茨城新聞掲載)

【写真】海沿いの散策を楽しむ希望の翼の参加者=米国ハワイ州ホノルル市

ポリネシアの文化学ぶ 「トンガ村」でダンス披露
障害のある人に海外旅行を楽しんでもらう「第20回希望の翼」の一行は1日(現地時間)、海水浴やショッピングなどを楽しんだ後、ポリネシア・カルチャー・センターを訪れ、島々の文化や歴史を学んだ。
同センターはポリネシアの島々を村に見立て、展示やショーで文化を紹介。世界最大のポリネシアンダンスショーも見学し、迫力に圧倒された。
ニュージーランドを再現した「アオテアロア村」では、世界で初めて施されたというタトゥーの文化を学んだ。タトゥースタンプを押す体験もあり、体を飾った模様に喜んでいた。
「トンガ村」では太鼓やダンスの実演があった。実際にステージに上がりダンスを披露した笠間市の塩幡博行さん(48)は「伝統文化に楽しく触れられよかった」と笑顔を見せた。
(2018年12月3日付茨城新聞掲載)

【写真】ステージ上でダンスを披露した塩幡博行さんと見守る希望の翼一行=ポリネシア・カルチャー・センター

合唱、ダンスで盛り上げ ハワイ さよならパーティー
障害のある人に海外旅行を楽しんでもらう「第20回希望の翼」の一行は2日(現地時間)、ハワイ最大のショッピングセンター、アラモアナセンターでの買い物や食事を楽しんだ。夜はさよならパーティーがあり、旅の終わりを惜しみつつ有志による合唱の披露やダンスで盛り上がった。
アラモアナセンターでは土産などを購入し、帰国に備えていた。海水浴やワイキキを巡回するトロリーバスに乗るなど最後までハワイを満喫した。
パーティーでは参加者が合唱などを披露。最後は茨城新聞社と旅行代理店、JTBの若手社員らが2018年のヒット曲、DAPUMPの「USA」を踊り、最後の夜を彩った。家族3人で参加した石岡市の小仁所均さん(71)は「ワイキキの浜辺は最高だった」と振り返った。
一行は3日の昼ごろ、ホノルル発の飛行機に搭乗し、4日午後に成田空港に到着する。
(2018年12月4日付茨城新聞掲載)

【写真】「USA」で盛り上がる希望の翼一行=米国ハワイ州ホノルル市

常夏のハワイ満喫 思い出胸に笑顔の帰国
障害のある人に海外旅行を楽しんでもらう「第20回希望の翼」の一行は4日、ホノルルから約8時間の空の旅で無事に成田空港に到着した。常夏のハワイを満喫し、4泊6日の旅を終えた。
同日午後5時半ごろ、県内各地に向かう送迎バスで、解散となった。バスに乗車する前は、記念写真を撮影したり、別れのあいさつを交わしたりなど旅の最後に交流を深めていた。
長女と訪れた石岡市の小松崎利江さん(70)は「充実した時間を過ごせた。ハワイが名残惜しい」と振り返った。姉の中里幸子さん(60)と参加した大洗町の会社員、和田明子さん(58)は「日本にはないフレンドリーさが楽しかった。また行きたい」と笑顔を見せた。
(2018年12月5日付茨城新聞掲載)

【写真】最後まで交流を深めた希望の翼の一行=千葉県成田市

【前を向いて ’18希望の翼inハワイ】(上) ボランティア
■必要なときに手助け
障害者に海外旅行を楽しんでもらう「希望の翼」(茨城新聞社、茨城新聞文化福祉事業団主催)は、今年が20回の節目。11月29日~12月4日に行われ、障害者や家族、ボランティアら81人が“原点の地”ハワイを訪れた。旅の喜びや大変さ、障害者福祉への思いなど、参加者の声を聞いた。(水戸支社・志賀敦文)
参加者一行の中、さまざまな人に手を貸しながら動き回る男性の姿があった。今回のボランティアリーダーを務めた筑西市の加藤和彦さん(65)だ。横断歩道などの素早い移動が必要なとき、他のボランティアにも手を貸す。
加藤さんは「希望の翼」には第1回から参加し、何度もボランティアを務めている。その中で印象に残っているのは、海水浴の際に車椅子を持ち上げるのを手伝ってくれた現地の人がいたこと。困っているときにこそ手を差し伸べることが大切だと実感したという。
それらの経験から「(障害者に)1人で行動してもらい、必要なときだけ手を貸す」と、さりげなく手助けすることを意識している。そして一番大切なのは「一緒に旅を楽しむこと」と笑顔を見せた。

介護を通して福祉に興味を抱き、初めて参加した石岡市の小貫広子さん(60)は、お互いに安心し合える関係が大切だと旅を通して学んだと振り返る。
障害者ボランティアは初めての経験で初めは悩むこともあった。だが時間がたつにつれ、障害者も普段は自立した生活をしている。必要なときに行動するだけでいいと気付いたという。
「『ありがとう』の一言がうれしかった。ボランティアに完璧はなく、信頼関係が重要だった」。今回のかけがえのない体験を今後の社会貢献に生かしていく。
(2018年12月20日付茨城新聞掲載)

【写真】「必要なときに手助けする」と話した加藤和彦さん(後列中央)=12月1日、米国ハワイ

【前を向いて ’18希望の翼inハワイ】(中) 海外旅行満喫
■願い実現、笑顔が力に
水戸市の多田節子さんは昨年、希望の翼があることを知った。ダウン症の長男直哉さん(19)の「ハワイに行きたい」という願いを実現したいと、直哉さんと幼い頃から付き合いがある知人の長根貴迪さん(27)に声を掛け、今回初めて参加した。
国内旅行は長根さんのサポートで何度か行っており、トイレや入浴など女性ではサポートできない部分を手伝ってくれる。「(直哉さんは)基本的なことはできると思っている」と節子さん。だが、「目と鼻の先にいるのに視界から消えると焦ってしまう」と口をそろえる2人。まだ海外旅行には自信がなかった。
しかし、希望の翼では見守るボランティアが他にもいる。それが2人を安心させた。
長根さんは「団体で動くのは心強かった」と振り返る。直哉さんは、海水浴やホテルのプールを満喫し、夜はダンスを踊るなど、初めての海外を楽しんだ。「ハワイはパラダイスだった」。満足そうな笑顔を見せた。

5度目の参加となったひたちなか市の作山良子さん(66)と都内に住む長女の郁さん(36)は常に明るく旅を楽しんだ。
良子さんは約16年前に手や足先から徐々に動かなくなる原因不明の病気を発症し、同時に転びやすくなり、現在はつえがつかめなくなった。「病気を知ったときは、旅行に行けなくなることがショックだった。だけど希望の翼なら遠くに行くことができる」と望みを持った。
「帰るときはみんな仲良くなっているのが魅力の一つ」。良子さんは、これまでの参加で友人が増えたと話す。今回の最終日にも多くの友人と別れを惜しんだ。「笑顔が病気を治すこともある」、希望の翼への参加が力になっている。
(2018年12月21日付茨城新聞掲載)

【写真】ホノルル動物園を楽しむ作山良子さんと郁さん親子=米国ハワイ

【前を向いて ’18希望の翼inハワイ】(下) 障害者福祉の環境
■旅通じ“距離”縮める
石岡市の障害者支援施設「はーとふる・ビレッジ」は施設利用者14人と職員ら9人の計23人で参加した。利用者らが笑顔で旅を楽しむ中、施設長の前島悦子さん(67)は、障害者を取り巻く現状を思い、健常者と同じ生活を送るためにも「少しだけ手を差し伸べてほしい」と願う。
前島さんは、日本の福祉は開かれているようで開かれていないと指摘する。障害はその人によってさまざまあり、「障害者に合わせた支援が必要」と、日頃から理解を訴えている。
施設職員の狩谷秀長さん(44)も利用者と一緒に外に出ると、周囲との距離を感じると話す。以前と比べれば少なくなってきてはいるが「よけられたり、避けられたりすることもある」と健常者との距離を話した。
施設では、希望の翼に2000年から参加し、9回目となった。前島さんは、希望の翼には医師や看護師も同行しており、万が一何かあった場合でも心強いと話す。障害者への理解を広め、健常者との距離が縮まることを夢見る。
同施設利用者の岩間忍さん(30)は軽度の知的障害がある。県立友部特別支援学校を卒業後、すぐには就職できなかったが、数年後に衣料品販売店で働き始めた。
初めはコミュニケーションで苦労することが多く、なかなか職場の輪に入れなかったという。だが今では仕事にも慣れ、充実した日々を過ごす。
健常者と同じ生活を送るには、まだハードルがあるが、自分でも少しずつ縮めていきたいと努力を誓う。「ワイキキビーチの美しさは感動的。全てが新鮮で楽しかった」。旅を終え、その思い出と自信を胸に、また前向きな姿勢で生活を送る。
(2018年12月22日付茨城新聞掲載)

【写真】旅を楽しむ「はーとふる・ビレッジ」の利用者ら=1日、米国ハワイ